紬とは?実は大島紬は紬じゃない!?



皆さんからのご質問に「紬」って?何?


「紬の種類はどんな物があるんですか?」


というご質問を受ける時があります。


元々、絹の着物は献上品や商品などにするため、繭から綺麗な1本の糸を取っていました。

紬の着物が出来たきっかけは、繭の中には商品にならないような太くて節の多い玉繭や、形が悪い「くず繭」が出ます。もったいないので、それらの繭から糸を取り結び合わせて繋ぎ、着物が出来るだけの長さの糸を作って織ったと言われています。


いわば、庶民が着る着物なんですよね。


話が少しそれましたが、「紬」の特徴は

糸と糸を手で繋いだ糸を使うため、繋いだ部分の「結びこぶ」が必ず生地に出ています。
上記の画像のような物です。


ですから、絹であっても木綿であっても、そういう「結びこぶ」が出ている商品を「紬織りの着物」と呼んでいます。


昔の流れから、「紬の着物は普段着」そんな歴史があります。


ただし、近年(っていってもだいぶ昔から)紬糸には、繊維と繊維の間に空気が絡み合うため、軽くてなんととても保温効果があり夏は涼しく冬は暖かいという素晴らしい事が人気でわざと紬の風合いを出す商品が次々と生まれてきています。




その中でも正反対になった着物もあります。


実はタイトルにも触れた、「大島紬」は「紬糸」を使用していないため、本当は紬では無いんです。
私も疑問に思っていた時期もありましたので、最近メーカーさんに聞いて、そりゃそうだ!と。


大島紬薩摩藩に献上品として納められていた物で、奄美大島で作られた紬糸を用い、地機で織られていました。
近年に上納の必要がなくなってから、大量に売れるようになり従来の地機では生産が追いつかなくなって高機にすることにしたようです。
高機は生産性が上がる一方で、糸に負担がかかります。従来使っていた紬糸では効率良く上手く織れないということで、紬糸から滑らかな生糸に置き換わっていきました。


名前が「紬」なのは、昔から売れていた名前の「大島紬」を変えることはとても危険ですので、そのままの名前が周到されて今に続いています。


しかし、大島は織機も変え、生糸にしたたために精密な絣、光沢もあり滑らかな唯一無二の織物として成功したのです。


私から見れば、大島はお召の着物のような感覚で普段着だけで無く、お茶会などにも着て頂いても問題はないと思っています。
だって正確には「紬」では無いんですからねw