三河木綿わたっ子友の会で種まき体験

先日の土曜日に以前こちらのブログでお知らせした「三河木綿わたっ子友の会」での種まき体験がありました。

当日はあいにくの雨天となり、棉の種まき体験は中止となってしまいました。

しかし、せっかくだからと言う事で織元の小田さんが「せっかくあづまやさんでも扱っている木綿がどう出来ているか知ってもらうために工場見学などいかがですか?」と仰って下さり、お言葉に甘えて行ってきました。


まずは、工房の前で記念撮影。工場と言ってもほとんどの現場は個人規模のところが多く、「え?こんな所で織ってるの?」と思われた方もいらっしゃると思います。
今回お伺いした小田さんもご夫婦で自宅の裏の工場で織っていらっしゃる家族経営の織元さんです。


お家に入らせて頂き、木綿の歴史や今までの苦労やこれからの事など詳しく説明して下さいました。
私はもう何回も伺っていてお話も当然聞いていたのですが、今日のように腰を据えてお話を聞ける時は少なかったので、本当に良かったと思います。


参加された方も、実際に織って下さっている方から直接現場で話が聞ける事はまずないので皆さん真剣に話を聞いて下さり、小田さんも喜んでいたと思います。


皆さん帰りの車では種まきもしたかったけど、話が聞けてすごく良かったですと盛り上がりました。


お話が終わると今度は工場へ案内して下さいました。
工場へ入ると、繊維業界の工場独特の匂いがあるんですが、皆さん「わぁ〜!」と興奮していました。
実際はそんなに奇麗な所ではないのですがね(微笑


約12台の織機が置いてあり、織機の説明や小田さんのこだわりなどが聞け、おそらく業界用語などは半分くらい意味が分からなかったでしょうが、とにかく織機の音の大きさや糸へのこだわり、織り方の工夫や仕組みなどはご理解頂けたと思います。

戦後すぐに作られた織機も現役で動いていて、最新式の織機に比べて当然スピードは落ちるもののこの織機でしか出ない風合いや織り味も出るんですよ〜。「まぁでも私がくたばるのが先か機械が壊れるのが先かかなぁ〜w」と笑顔で話される姿が印象的でした。

着物になる木綿はどちらかというとこういった織機で織った方が味があると私も思っています。
問題はどこでも同じですが、今の単価では普通の織物を織っていては全くお金にならないのでこのままでは消えるのみと思っている織元さんも多いとか。。。

冗談だと思いますが、「良かったらあづまやさん、持って行って織ると良いよ」って言ってくれました(町中では音問題で無理かもw

鈴木式織機です。ズズキ自動車の大元なんです。トヨタも同じく織機を作っていたんです。


帰り際にせっかく来たのだからと、近くの棉畑を見学に。


無農薬で取り組んでいる事、棉の植え方や収穫までの苦労など細かく説明して下さいました。
物を育てるという事は、楽しみでもありますがその裏側にある苦労は半端ないです。。

今度は夏過ぎに花を咲かせた所を見に行きたいと思います。(草取りも手伝ったり



次は同じ蒲郡にある、竹島クラフトセンターへお邪魔してきました。
こちらの代表の鈴木さんは、みかん染め着物のテキスタイルデザインを担当して下さった方でいつもお世話になっています。

クラフトセンターでは「手織り体験」が出来るようになっていて、簡単なランチョンマットから本格的な手織り機まで揃っていてその人のレベルに合わせて出来るような施設です。
誰でも無料で入れて、コースターなら1時間弱で作れ¥800で体験出来できます。また蒲郡に来たら是非ともお寄り下さい。
鈴木さんは織物の事はもちろん歴史も詳しい方で何でも親切に教えて下さいますよ。




時間の関係で手織り体験は諦めましたが、鈴木さんの特別な計らいで特別に棉繰り機で実際に棉から種を取る体験と、その棉をほぐして、糸にする行程まで体験させて下さいました。



私も頑張って糸を作りましたが、なかなか難しく1本の均等な太さの糸を作る事は出来ませんでした(当たり前ですがw



当日はあいにくの雨でしたが、逆に貴重な体験をする事が出来ました。これもいつもお世話になっている顔の知った蒲郡の皆さんだからこそこんなにも良くして下さったのだと思います。
これからも三河木綿わたっ子の会の進捗状況や現場の声、地元ならではの取り組みを皆さんにお伝えして行きたいと思っています。